03 明嵐 二朗

三菱地所で、新しいコンセプトのマンションを発想し、自ら立ち上げた経験を持つ。住み手の気持ちを汲み取り形にする力、顧客視点で冷静に物件を眺めるスタンスで、このプロジェクトのバランスをとる存在。曰く「何から何までエコエコっていうと、正直しんどい。」
変えるべきところを変えた。ひとつひとつに理由があるマンション。

Q.1 新事業を立ち上げたご経験をお持ちとのことですが?

三菱地所で色々と仕事をしているうちに、ちょっとした問題意識を持つようになりました。どこのマンションでも同じですけど、豪華絢爛なモデルルームをつくって、でも部屋のタイプは一つしか見れなくて…。無駄なコストをかけずに、もっといいやり方があるんじゃないかって思ったんです。入社8年目のときに、社内ベンチャー制度っていうのがあったので自分のアイデアを応募してみたら、事業化されることになった。これはスタイルハウスという事業で、住む人のニーズに合わせて居室を自由に設計できるというもの。僕自身家を買った経験から感じたことですが、まずは住みたい街に住むことが大切で、家自体は、ある意味“箱”でいいのかなと。色んな価値観を持っている人がいるわけですから、自由度は高いほうがいいと思ったんです。

Q.2 今回のプロジェクトにも、その考え方は活かされていますか?

自分で設計できるわけではありませんが、集合住宅に本当に必要な設備って何だろう、何を大切にすべきだろう、ということを考えたマンションという意味では共通していると思います。仕上げはこうじゃなくちゃいけない、っていう固定概念へのアンチテーゼみたいなものがあって、現状を良しとしていない。「なんでこういう形になっているのか」「なんでこの部材が選ばれているのか、この設備が選ばれたのか」っていうのに、一つひとつ理屈があるんです。今までのマンションは、その理屈がある程度収れんされていて、一定のカタチしかなかったんですが、ライフスタイルも、消費性向も変わってきている。新しい価値観、暮らし方に対する一つの答えとしてこの物件があると思います。

Q.3 “エコ”というテーマに関しては?

エコに対するニーズって、ある意味“損得勘定”が働いているんじゃないかと思うんです。例えば新しい省エネの設備を入れても、長い目でみればお得になるとか、快適に、健康に過ごせるんだったら高くてもいいか、みたいな。合理的にものを考えた中でエコを選択してるんだと思うんです。一方、今回のプロジェクトでは、エコの設備も含め、これからの暮らしについて真剣に考えて仕様を決めました。必ずしも何から何までエコ、というわけではなくて、今までのマンションの変えるべきところを変えた、という感じです。9戸しかないマンションですが、普通では考えられないくらい時間をかけて議論をしました。それがとても楽しかった。つくっている側がハッピーな物件って、きっと共感を生むし、住む人を幸せにできるんじゃないかと思うんですよね。

最後に、吉祥寺プロジェクトに興味を持った方にひとことメッセージを。

とにかく僕ら自身がひとつひとつ納得しながらつくっていったマンションです。ちょっと変わった物件に見えるかもしれないけど、決して奇をてらってつくったわけじゃない。なぜこういう形になったか、興味をもっていただけたところだけでも、その理由を聞いてもらえると嬉しいです。

※社名・所属部署・肩書・名称などは取材当時のものです

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