等価交換事業

土地の記憶と想いを未来へつなぐ
三菱地所レジデンスの等価交換事業

2026年08月06日

土地の記憶と想いを未来へつなぐ
等価交換事業

土地オーナーが、その土地を手放すことなく資産を継承し、有効活用することを可能にする等価交換システム。オーナーは土地の一部を事業者に提供し、対価として完成したマンションの住戸を取得します。三菱地所レジデンスでは、この事業に専門チームを設け、設計、税務、相続、権利調整までを一貫してサポートしています。とくに千代田区の“番町エリア”では、土地の記憶を残しながら未来へ受け継ぐ資産活用として、多くの土地オーナーから評価をいただいております。

由緒ある邸宅地、千代田区の
“番町エリア”で信頼を得る

皇居の西側に位置する千代田区の一番町から六番町、いわゆる“番町エリア”は、江戸時代に将軍直属の旗本の屋敷が置かれていた地。明治時代以降は政府高官や華族が居を構え、政財界の要人や文化人にも愛されてきた都心を代表する住宅地のひとつです。
「番町は、当社にとって非常に重視しているエリアです。三菱地所グループは、大手町・丸の内・有楽町(いわゆる大丸有エリア)において、オフィスを中心としたまちづくりを長期にわたり推進し、日本を代表するビジネス拠点を形成してきました。その中で、職住近接を実現するための住宅地として、番町エリアは中心的な存在なのです。このエリアで長年にわたるマンション供給を続けてきた蓄積が、新たな案件につながっているのではないかと思います」と話すのは、等価交換を専門に手掛けるパートナー事業企画部の平野。
「実際にこれまで進めてきたプロジェクトの中には、土地のオーナー様が10年ほど前に完成した当社の最高水準であるグランシリーズ“ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵”をご覧になったことをきっかけに声を掛けてくださったものもあります。個人で広い土地を所有されているオーナー様がまだ多く残るこのエリアでは住民様同士のつながりが深く、建物の評判や事業者の対応についても自然に情報が共有されることもあるようです。ご依頼は、ご紹介からスタートすることがほとんどです」

2015年竣工。お濠端に建つ「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」。
パートナー事業企画部の平野。

代々受け継いできた都心の由緒ある土地。売却するのではなく、これからも住み続ける土地オーナーにとっては、信頼感が何よりも重要となるでしょう。三菱地所レジデンスのどのような点が、信頼につながっているのでしょうか。
「まずは、完成した建物の見た目というところも大きいのではないかと思います。番町エリアにお住まいの多くの方々は、派手なデザインを好まれず、上質さを求めていらっしゃるように思います。当社の建物も、決して派手なデザインではなく、長く愛される上質な建築を目指しています。その価値観が、番町エリアのお客様と合っているのではないでしょうか。加えて、等価交換を専門にする部署があるということも、当社の強みといえます。部署内でのノウハウの蓄積だけでなく、税理士や設計会社、施工会社など、社外の方々とも連携して積み上げてきた経験が、信頼につながっているのではないかと思います」

土地オーナーと信頼関係を築き
数年にわたり併走する仕事

とくに番町エリアでの等価交換事業では、土地オーナーの多くが個人のお客様です。お客様のご要望を伺いながら、建物の完成まで数年にわたってお付き合いを続けることになります。そこには、単なる事業推進役以上の役割が求められます。
「オーナー様からご相談をお受けしてから竣工までは、設計、権利調整、仮住まいのご手配、従来の建物の解体、新しい建物の建築と、短くても4〜5年、長いと10年近くに及ぶケースもあります。私たちはお客様のご自宅にお邪魔してお話をさせていただくことが多いので、一般的なビジネス上の関係とは異なる信頼関係を築く必要があります。何度もご自宅に伺ううちに、ご趣味や暮らし方なども、自然に理解が深まっていくように思います。日常の何気ない共通点が、信頼関係を築くきっかけになることもあります。ある担当者からは、オーナー様と共通の地域に所縁があり、その話題をきっかけに会話が弾み、次回の訪問時にその地域のパンをお持ちしたところ大変喜ばれた、というエピソードも聞いています。
また、ご家族の間で意見が異なる際の調整も、私たちの仕事の一部です。皆様のご意見をお伺いし、最大限ご満足いただけるように努力します。完成後、“まとめてくれてありがとう”というお言葉をいただくと、大変嬉しい気持ちなります」

こうした積み重ねは、長期間にわたって土地オーナーの人生設計そのものに関わる等価交換事業では、欠かせない要素ともいえるでしょう。
「同じ土地に住み続けることができるのが等価交換の利点ですが、愛着のある住まいを取り壊して新しいマンションを建てることになります。お客様からは、“以前の建物の意匠を新しい建物にも残したい”、“家族の思い出が詰まった木を切り倒さずに保存したい”といったご要望があります。私たちの役割は、こうしたご要望に最大限お応えしながら、工期に遅れが出ないように事業を進めていくことだと思っています」

「ザ・パークハウス 千代田六番町」エントランス。
パートナー事業企画部でのキャリアは6年目。

等価交換には、土地の譲渡後一定期間内にその土地に建設されたマンションを取得することで譲渡所得に関する課税の繰り延べが受けられるという税制上の特例があります。工期を適切に管理し期限内に取得することで、そのメリットを最大限に生かすことが可能となります。
「工期の精査は大変重要です。計画段階から竣工を逆算して、さまざまな手続きを行うスケジュールを設定します。しかしながら、建物はオーナー様のお住まいでもあるので、間取りなどで悩まれることもよくあります。納得のいくまでお考えいただきたいという気持ちと、工期を守らなければ多大なご迷惑をおかけしてしまうという気持ちの間でやきもきすることも多いですね。心がけているのは、良いことも悪いことも、すべてを正直にお話しすることです」
その誠実な姿勢もまた、信頼につながっているのかもしれません。

土地オーナーの思いを
形にする提案力

効率や利益のみを追求するだけでなく、土地の価値を踏まえながら、土地オーナーの思いを形にするための思い切った提案を行える点も、同部署の大きな特徴です。

「数社のコンペティションが行われたある物件では、当社の提案では、オーナー様に還元できる面積の割合が他社よりも低かったにもかかわらず、受注することができたケースもあります。その理由をお尋ねすると、敷地内にあった立派な既存樹を残す計画をご提案したことが決め手になったとのことでした。確かに伐採して建築面積を広げた方が合理的で、オーナー様が取得される面積も広くなった可能性がありますが、長年にわたって土地の記憶を宿し、ご家族の歴史を見守ってきた存在である既存樹を残したいという思いが、オーナー様の価値観と一致したのだと思います。等価交換の物件は、1軒1軒がオーダーメイドです」
等価交換事業とは、単なる不動産開発ではなく、土地に刻まれた物語を未来へと受け渡す仕事だといえるでしょう。オーナー様とともに歩みを進めながら、背景にある想いや価値観を共有し、一つひとつ丁寧に、新たな物語を紡いでいきます。そうして育まれた価値は、そこで暮らす人々に受け継がれるとともに、その土地に静かに積み重なり、まちの魅力となってさらなる輝きを放ちます。

  • 取材時の情報をもとに記載しています。所属部署・役職等、現在と異なる場合があります。

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